無敵の総長は地味子ちゃんに甘すぎる

◇まさかの自宅訪問①




「お前らー、あと一週間後に何あるかわかってるよなぁ?」


7月下旬。


制服も夏服へと切り替わり、もう少しで夏休み。


....ひたすら、眠い。


夏休み前のクラスの緩んだ雰囲気と、窓の隙間から吹いてくるひんやりとした風は、最高の眠りの材料。


思わずコクコクと、頭を揺らしていると。



「なぁ、蒼唯?」



....んん?


「おい、お前だあおいみお!」


「は、はい!」


名前を呼ばれてはっと我に返ると、たくさんの視線が刺さる。


さいあくだ....変に目立ってしまった。


「ぅあ、えーと.....もう一度」



へらりと笑えば、担任の山田先生も笑う。


.....それはもう、満面の笑みで。



「...俺は優しいからな。もう一度だけ言ってやる。

一週間後には、何がある?」



一週間後.....一週間??


今日が21日だから、



「7月28日....えーと、なにわの日?」



あは、なーんて....と続けるつもりだった。



ポツリと溢した瞬間、先生の額に青筋が生まれた気がした。



「アホ~~っ、なにわの日なんて聞いたことないわ!


罰として、居残りを課す!!!」




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