あなたの隣で、その約束を。


太陽が地平線の彼方に沈む前、キラキラと輝く夕日の光が大きな窓を通り抜けてそっと私を包み込みにやってくる。


その時を待っていましたかと言うように私は、自室を出て無駄に広い廊下を急ぎ足で歩き中庭へと出る。


ふっと顔を上げれば真っ白なお城がこの時だけ赤く染まり、魔法がかかったように幻想的な姿へと変わっていく。


そんなお城を眺めつつも、いつもの通い慣れた足取りで今日もあの場所へと向かいながら周りに人がいないことを確認する。


私の1日の中で最も大切で、幸せな時間を誰かに奪われるのは御免だから。


庭園の薔薇畑の横にある、垣根の間の小さな隠し扉の前にたどり着くと最後にもう一度だけ周りを確認した。


広がるドレスを無理やり押さえて、しゃがみながら隠し扉を開けて入り込む。


隠し扉を抜けると、城壁の外へと出ることができてそこからはドレスの裾を上げて、普段なら人に見せてはいけない格好で走り出した。







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