★★★★★
似たもの同士の孤独たち


劣等感、罪悪感。「天才」と呼ばれることに引け目を感じていた。ふたつの孤独はどうしようもなく惹かれていく。

作者さまが丁寧で繊細かつ色鮮やかな筆致で描く情景や描写にぐいぐい引き込まれて、まるで彼らと同じ寮生になった気分で感情移入しながら読み進めていました。

評価がほしい。評価のために描いてるんじゃない。意味なんてない。だけど、誰かの言葉で救われる。ぐらぐらに揺れる心情もまるで自分のもののように思えて、彼らとともに一喜一憂していました。

ひとりで抱えてきたものを、これからは寄り添ってふたりで抱えていこう。天才だっていいじゃないの。きみが好きだと言ってくれた、自分の絵を嫌いにならずにいたい。
温かさに包まれたエンディングに思わず涙が零れました。

また、ふたりだけでなくミナミやシンジョウなど、登場するみんな魅力的で大好きになりました!

本当に素敵な物語をありがとうございました!

結季ななせ
20/09/12 11:16

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