【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
1、私の厄介な婚約者
「わあ、綾香さん、とても優雅で素敵です」
親友の桃華が私の袴姿を褒めると、ニコッと笑顔で返した。
「桃華さんもその黒地に百合の柄、とってもお似合いよ」
三月中旬の東京。天気は快晴で、ポカポカ陽気。
頬に触れる空気も少し温かくて、今日は心地よく感じる。
桃華さん……佐々木桃華は、国内で有数の食品会社である佐々木食品の社長令嬢。身長百五十五センチ、髪はアッシュベージュのセミロングで、おっとりした性格。
彼女とは幼稚舎からずっと一緒で、私の一番の親友。
かくいう私は花山院綾香。二十二歳、彼氏はいないが婚約者はいる。
身長百六十二センチで黒髪ロングのストレートがトレードマーク。
同級生は私の後ろ姿を見ただけで花山院綾香とわかるらしい。
美人だった母に似て目鼻立ちのキリッとした顔をしているせいか、なんでも出来る女に思われがちだけど、実は料理と運動が苦手。
私は日本でも五指に入る総合商社である花山院商事の社長令嬢で、良家の子女が通うお金持ち学校の最高峰、皇極学院大学の四年生。
そして、今日が大学の卒業式ーー。
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