【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
12、浮かぶのは彼の顔
「……今日は……ランチミーテイングがあって……十三時から役員会議……」
今日の予定を蒼士に伝えていたら、いきなり頭を撫でられた。
「俺とあんなに甘い時間を過ごしたのに、仕事の夢?」
楽しげな蒼士の声が上から聞こえてハッと目が覚めた。
え?
副社長室で申し送りをしていたはずなのだが、今いるのはベッドの上。
蒼士が身を屈めて私の顔を見ている。
彼はブルーのシャツにダークグレーのスーツのズボンを着ていて、いつでも出勤できそうな様子。
夢……か。
そう理解すると同時に、ベッドで蒼士と抱き合った光景が頭に浮かび、発狂しそうになった。
わー、わー、きゃー!
慌てふためきながらガバッとベッドから起き上がるも、なんだか身体がスースーしておかしい。
自分の胸元に目をやれば、今一糸もまとわぬ姿。
「キャッ!」と声を上げ、咄嗟に布団を掴んで胸元まで上げる。
だが、違和感はそれだけじゃない。
下腹部が少し痛い。
あれは……現実?
蒼士にベッドに組み敷かれ、『綾香、抱きたい』と言われて……それでキスされて……。
どこか夢見心地だった。
「私……本当に……本当に……蒼士と寝ましたの?」
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