【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
5、突然始まった彼との同居生活
「熱い……燃えそう。誰か……誰か助けて」
赤い炎が私を襲ってくる。
何度叫んだだろう。
どんなに走って逃げても、火は私を追ってきた。
「誰か助けて!」
声を張り上げたら、逞しい腕が私をギュッと抱き締める。
「もう大丈夫だよ」
その優しい声とその温かい抱擁に心が落ち着く。
ああ、もう大丈夫。
この人が私を守ってくれる。
そんな安心感があった。
そのまままた眠ろうとするも、なにか違和感を覚えて………。
んん? さっきの声は氷堂だったような。
それに、この温もり……。
肌と肌が触れていない?
抱き締められているんだから当然のこと。
でも、抱き締められるって誰に?
あれ?
氷堂の声がしたということは彼ってことなの?
自問自答するうちに、ますますおかしいと感じた。
夢ですわよね?
夢でもこんな状況は許せないが、現実よりはいい。
それに、一度目が覚めたのだから、同じ夢は見ないはず。
そう考えて、もう一度眠ろうとしたが、耳元で氷堂の声がした。
「綾香、起きたの?」
う、う、嘘〜! これは現実?
恐る恐る目を開ければ、目の前に胸板があって、失神しそうになった。
お、落ち着くのよ、綾香。
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