【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
フフッと美しく微笑む綾香。
メガネをかけていても、やはりその美貌や育ちの良さは隠しきれていない。
俺が『自然体』でいいと言ったのもあるけど、彼女のお嬢様言葉は変わらず。
最初は秘書室の面々や剣持さんは変に思っていたようだが、今はもう慣れっこになって、普通に話される方が違和感を覚えるらしい。
オフィスの中にある打合せスペースにみんなで移動し、欧州事業の展開について議論する。
英国EUから脱退するのは決まっているし、今英国中心に展開している物流の拠点を少しずつヨーローッパ本土に移行しているのだが、現地の住民とのトラブルや政府との交渉が上手く行っていない地域があるらしい。
大谷さん達と議論していると綾香がコーヒーを運んで来た。
「鈴木さんも加わって」
声をかけると、「はい」と返事をして俺の横にちょこんと腰掛ける。
「そういえば、来月フランスの経済・財務大臣が来日するって誰かが言ってたな。絶好の機会だ」
綾香が淹れてくれたコーヒーを口にしながらそう呟けば、剣持さんが口を開いた。
「そこはやっぱり副社長の出番じゃないか?」
剣持さんの意見に同調する大谷さん。
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