数日が経った土曜日の早朝、目を覚ますとベッドに柊吾さんはいなかった。枕にくぼみもない。時計の針は六時だった。

 寝てない……?

 心配になって見に行こうと身体を起こす。そこへ静かにドアが開いて、柊吾さんが姿を見せた。

 黒のパジャマを着ているけど、スーツと変わらなくカッコいい。

 彼はベッドの上で上体を起こしていた私に目を細めて近づいてくる。

「ごめん。起こしたか?」
「少し前に目が覚めて。柊吾さん、今まで仕事していたんですか?」
「ああ。さすがに眠い」

 柊吾さんは疲れた表情で布団の中に身体を横たえ、憂わしく見つめている私へ視線を動かす。

「オーリィ家へは十二時に行けばいいんだよな? 十時に起こして」

 今週は月曜日以降ずっと彼は忙しそうだった。

 疲れている柊吾さんが心配だから、私ひとりで行くと言えばいいのに、言葉を呑み込み、コクッと頷く。

 言葉にしない私を、柊吾さんは片方の眉を上げて見る。

「どうした?」
「徹夜だなんて、身体に悪いです」
「おじさんなのに?」
「おじさんだなんて思っていませんっ!」

 ぷくっと頬を膨らませた私に、柊吾さんは口角を上げて笑う。

 なんで笑ったのかわからなくてキョトンと見ていると、彼は身体を起こした。