桜井 茉奈
芝浦 要
最近、同期の芝浦の様子がおかしい。
「どんな小さいことでも、俺が原因で泣かれたら嫌だから」
「それ、いいかもな。ずっと考えてろよ、俺のこと」
それはまるで私を好きだって言っているように聞こえて……だから、勘違いしてしまっていたのかもしれない。
本当は、違っていたのに。
〝好き〟の言葉も、焦がれるような瞳も私に向けられたものじゃなかったのに。
「やめてよ……っ。この間は〝忘れた〟って嘘ついたくせに」
あの告白をなかったことにしたくせに。
同期でいなくちゃならないんだから、そんな目で見ないで。
優しくしないで。
「桜井だけ。……この意味、わかるか?」
特別扱いなんてされたら、欲しくて仕方なくなってしまう――。
2019.7.15 完結公開
- あらすじ
不動産屋に勤める桜井茉奈には、芝浦要というハイスペックな同期がいる。そんな芝浦の様子が最近おかしい。仕事帰り、芝浦が自分を食事に誘うのは、ただ気が合うという理由からだと思っていたけれど、芝浦が思わせぶりなことを言うせいで気になりだしてしまい……不器用なオフィスラブストーリー。
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OLの茉奈はしばらく恋愛から遠ざかっている干物女子。エリート同期の芝浦とはふたりで飲みに行く関係で、そこには恋愛感情は存在しなかった。けれどある日を境に芝浦が仕事終わりに待っていたり、家を訪ねてきたり…。ただの同期だと思っていたのに、次第に距離が近づくのを感じ、茉奈の心は揺れ始める。ある夜、飲み会で芝浦が酔いつぶれたと呼び出されて迎えに行くと、いきなり抱きしめられ、強引に迫られて…!?「そんな顔されたら、抑えきれなくなるだろう?」――戸惑う茉奈の態度が芝浦の独占欲を煽り、甘さたっぷりに溺愛されてしまい…!?