揺蕩う空へ魔法の句を
奈良時代 平城京が 都だよ



今日も私は義昭に授業をするために部屋に入って義昭を待っていた。義昭は、用事で江戸の町に行っている。

「ただいま~!」

天くんの声が聞こえてきた刹那、バタバタと廊下を走る音が聞こえてくる。

「天!廊下を走るな!!」

義昭の声も一緒に響いていた。そして、慌ただしく襖が開いて天くんが入ってきた。その後ろから義昭が現れる。義昭は私を見つめて固まっていた。

「……どう?髪型を変えてみたんだけど」

私は普段一つに結んでいた髪を、今日はお団子にし、髪にはこの間良心的な店の女性にもらった簪を差している。

義昭は「……変わらんな」と少し顔を赤くしながらいつも通りに私と向かい合って座った。

「今日は奈良時代の勉強をしよう。710年から都が奈良の平城京があった時代。この時代に、墾田永年私財法などによって律令制の基礎が崩れ始めたんだ。墾田永年私財法は後で説明するね」

「まずは、班田収授法。これは6歳以上の全ての男女に口分田――班田収授法に基づいて人々に与えられる田のこと。この口分田を与える、律令制の元での土地制度なんだ。口分田で収穫した稲の一部を祖――今の時代でいう税金みたいなもの。その祖として収めていたんだ」

「…次は防人。防人は、九州北部の沿岸を守るために置かれた兵士で21歳以上の男子に課せられ、3年交代で九州の守りについたんだ。防人に赴く辛さは、最も古い和歌集である『万葉集』にも歌われているんだ。その歌は忘れたけど…」
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