拾いものは危険な恋のはじまりでした
第九章 奏の家族
目の前には、大きな門があり自動で開いていく、車が門をくぐるとまた

閉まっていった。前に目を向けると、大きな日本家屋があった

家の前には、黒いスーツを着た人と、ジャージ姿の人が立っていた。

司さんが、後部座席のドアを開け奏さんが降りて、手を私に伸ばしてくる

「小春、おいで」「は、はい」

手を掴み、恐ろしい緊張のまま車から降りた

「お疲れ様です!」

大きな声に身体がビクッとしてしまう。

「若、お帰りなさいませ」「あぁ」

私は俯き頭を下げながら、奏さんについて行った

家の中に入ると広い玄関、ヒールを脱ぎ揃えて端に置いた

そのまま、大股で歩く奏さんに遅れまいと必死についていく

少し歩くと、一人の男の人が頭を下げた

「親父は」「こちらです」

ついて行くと、一つの襖の前で正座をし声をかける

「若が、おつきです」「入れ」

襖がスッと引かれると、奏さんが中に入り、続いて私も俯きながら入る

部屋は広い座敷で、上座に男の人と、女の人

テーブルを挟んで用意されていた座布団に奏さんが座り隣に私が座った
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