キミの溺愛は甘すぎる。
キスの時間




帯をギュッときつめに締め、浴衣が乱れていないか何度もチェックする。

うん、大丈夫なはず。
特に着崩れているところはない。


あとは髪を乾かし、後ろでお団子にしたら完成だ。


どうやら男の人というものはうなじが見えるとドキッとする人が多いらしい。

ネット情報だから本当かはわからないけれど。


それを忠実に従う私もどうかと思いつつ、お団子も崩れていないか何度も確認した。


「……よしっ」

これで大丈夫なはず。
意を決して洗面所から出た───


けれど。
何ということだろうか。

心の準備をする間も無く、早速反対方向から歩いてくる優翔とばったり会ってしまったのだ。


どうやら優翔もお風呂に入る予定だったようで。

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