Hate or Love?愛と嘘とにまみれた世界の片隅で

命令

翌日。


貫田さんの話を聞き、明確な殺意が芽生えたままの状態で学校へ向かっていた。


ガードレールのない狭い歩道。


その横に、黒塗りでスモークガラスが張られた車が停まった。


見るからに怪しい車だ。


早足で横をすり抜けようと踏み出したとき、後部座席のドアが開いた。


降りてきたのは全身を漆黒に包み、目を光らせる宮瀬聖。


「乗れ」


あたしはこの目が苦手だ。


動けなくなる。


「迫田」


宮瀬が名前を呼ぶと、もう一人屈強な男が車から降りてきた。


「怪我させても構わない。車に乗せろ」


それを合図に、迫田という男があたしの腕を掴もうとしてくる。


当然、それをかわし、太ももに固定してるナイフを抜き取る。 
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