俺の、となりにいろ。

バス停に到着するまで、何気ない会話をする。
「桐谷課長と同期といっても、仲良しなんですね」
「いつの間にか、一緒に飲みに行く感じになってたかな。でも、必ず松坂さんの話題があったよ」
「え、私?」
自分の話題となると、どんな会話か気になると同時に、恥ずかしさで顔が熱くなる。

紺野主任はニッコリと笑う。

「桐谷は松坂さんのためにこの会社に入社して、松坂さんのために出世して頑張っている。そして、今も。あいつはあなたしか眼中にないみたいですよ」


もう。
そんなこと言われたら、頭の中が秀人だらけになって、夜眠れないよ。

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