俺の、となりにいろ。

突然のプロジェクトからの除名に、宇田支店長は不機嫌な顔を露にした。ギャラリーからも一瞬大きくザワッと波が立つ。
もちろん、宇田支店長は反論した。
「何を言ってるんだ?今回のメンバー選出は、社長も加わって決めたことだろう。それを何故、君の判断で外されなければならないのだ?」

「ええ、大きなプロジェクトですからね。だからこそ、社長を含めた厳かに且つ公明正大に判断ができる、そして何より俺の信頼できる方々に集まってもらって決めました」

少し興奮気味な宇田支店長に対して、秀人はずっと冷静沈着なまま、淡々とした口調だ。
宇田支店長の顔色が険しくなっていく中、私たちを囲む社員たちも、先行きを気にして静かに注目していた。
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