俺の、となりにいろ。

四階の応接室というのは、エレベーターホールの右側の向かいにあり、その奥がお手洗いになっている。
備品室は四階のエレベーターホールから真っ直ぐ伸びた廊下の一番奥にあり、そこに行き着くまで左右に大小四つの会議室とワゴンを止めておけるくらいの、小さなシンクのある給湯室が備えてある。

政樹は迷いもなく応接室へ行き、磨りガラスから見える暗い室内の扉を開けた。
ドアはすんなりと開き、そして壁際のスイッチを入れる。
パッとついた四角い電気の灯りを確認して、室内を見回す。
茶色の革張りのソファーと同色のテーブルセット、壁には腰くらいの高さのサイドボードに金色の丸い置時計が時を刻んでいる。その横には黒いゴミ箱と、木製のハンガーがかかったステンレス製のハンガーラックがある。
特に不審な所は無さそうな応接室、に三人は各々に視線を向ける。
< 149 / 161 >

この作品をシェア

pagetop