クールな騎士団長はママと赤ちゃんを一途に溺愛する
本当の気持ち
医師の診察はいつもの定期健診と同様の内容になった。

どこも悪くないのだから、当然そうなる。

子供は変わらず順調とのことで、リアナはほっと胸を撫でおろした。

どんなに元気に過ごしていても、やはり不安な気持ちはある。

子供は確かに自分の身体の中にいるはずなのに、分からないことばかりだ。

もしお腹の中で子供が具合が悪くなっても、気付いてあげられないかもしれないと思うと怖かった。

それでも自分は楽な方なのだと医師に言われた。

酷い人はベッドから起き上がれない程具合が悪くなるとか……いつもながら父譲りの健康な身体に感謝する。

しかし、リカルドとの再会の翌日。朝目覚めるといつもと何かが違うような違和感を覚えた。

身体がなんとなく重くて怠いのだ。

眠っていたベッドから上半身を起こしたが、それ以上動くのが面倒だと感じた。

それに身体が火照っている気もする。

(もしかして風邪を引いたのかしら)

医師に診てもらった翌日に具合が悪くなるなんて間が悪い。

「リアナ様、どうかなさいました?」

「あ、ダナ……ちょっと具合が悪くて。風邪を引いたかもしれないわ」

「風邪? それは大変です。直ぐにお医者様を呼びましょう」

「ええ、お願い」

昨日の今日で来て貰うのは気が引けたが、お腹の子にもしものことが有ったら取返しがつかない。

食欲も沸かないので、ウエストを締め付け過ぎない寛ぎやすい部屋着に着替えてソファーに身体で休む。


リカルドは朝早くから領地の見回りに出ていると報告を受けていた。

(エルドラ王女も連れていったのかしら)

昨夜、王女はトリアの観光をしたいと言っていた。視察のついでに町を見て回る可能性がある。

そうなると遅くまで戻っては来ないだろう。

ふたりはどんなところに行くのだろう。結婚して直ぐに一度だけ領地を案内して貰ったが、王女にも同じことをするのだろうか。

考えに沈みそうになり、これでは駄目だと気持ちを切り替えた。

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