Match maker
第2話

情報と状況

彼の情報は全てゼロが握っている。

だけど…

それを見たとしたら、彼に知られてしまう。

そんなに必死だと思われるのも

凄い興味持ってると思われるのも…

とにかく、ちっぽけなプライドと戦っていた。

釣書レベルの情報は既に頂いている。

私が知りたいのは…

もっと下世話な…

女性経歴とか…

その、趣味とか。

でも、そんなの…

私のも知られたら困る。

凄い個人情報だ。

そもそもどうやって守ってるのだろう。

「ねぇ。」

【どうぞ。】

「個人情報はどうなってるの?」

【基本的に所持していません。】

「え?」

【あなたと同じ仕組みです。】

「……。」

【簡易に変換します。“すぐ、忘れる”】

「嘘でしょ。」

【そもそも、漏洩するということはAIを使って取ろうとする。AI同士は情報を共有します。つまり、向こうのAIの情報もこちらに来る。】

「ああ、なるほど。」

【あなたの情報が欲しいということは…あなたに興味もしくは、価値があるとの判断。まず、大丈夫です。】

「割ってあげましょうか?」

【不正アクセスには、対策があります。】

「もう、それ先に言いなさいよ。」

電源(コンセント)を抜く。ブィッシューン】

「え!?ちょっと!そんな原始的な!」

……。

「いや、あんた、コードレスじゃない!!!」

もう少し、ちっぽけなプライドと戦うとしよう。
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