雨宮社長の専属秘書は気苦労が絶えません

3章おまけ


〇某高級ホテル 調理室(夜)

ホテルマネージャーを連れ立って調理室にやってきた雨宮が、シェフから話を聞いている。
食品のすり替えを白状したあとで、ホテルマネージャーともども、雨宮に深く頭を下げている。
その後、ホテルマネージャーと会場に戻るまでのシーン。

マネージャー「この度はなんとお詫びすればよいか……」
雨宮「いや、コスト面においては我が社も検討しなければいけないところでしょう。社内会議の結果は追ってお知らせしますよ」
マネージャー「ありがとうございます。しかし、お恥ずかしながら指摘されるまで全く気が付きませんでした。味の違いを言い当てたのは、雨宮社長の秘書とか?」
雨宮「あぁ、僕も気が付かなかった。おそらくこの会場で食事した全員が分からなかったんじゃないかな、それだけここのシェフの腕が良いということだが」
マネージャー「シェフの腕より、秘書さんの味覚が勝ったということですね。さすがAMAMIYAFOODSさんは商品だけでなく、人材も一流です」

ホテルマネージャーとは、会場の入り口で別れ、雨宮は陽和の姿を探す。
すると、雨宮の言いつけ通り料理を食べては何かをメモする彼女の姿があり、目を細める。

雨宮「(まさか、あのひよこがなぁ……)」

料理のメモも進んでいるようだが、シャンパンも進んでいるようだ。
次々にグラスを空にしては、何やらブツブツ呟いている。
足も心なしかふらついている。
そのせいか、人とぶつかってしまい、慌てて頭を下げる陽和に雨宮は思わず「何をやっているんだ」と呟き、笑う。
その笑顔は、優しい笑顔だっだ。

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