大嫌い、だから恋人になる
二人は服を選び終えると、私の髪を櫛ですき始めた。引きこもり生活をエンジョイしてたから、髪の毛がボサボサでも全然、気にしてなかった。これじゃあ、休日のお父さんと大差ない。

パジャマで一日終わることもあったから、それよりひどいかもしれない。でも正直、もう色々面倒だし。

「ちーちゃん、それはヤバいよ」

となっちゃんが言った。

「私のお姉ちゃんでも一応、パジャマからジャージに着替えるよ」

「本当に?なっちゃんのお姉ちゃんなら、私の気持ちわかってくれると思ったのに」

「でも家にこもってるのは一緒かな。化粧もしないし、髪もそのまま。どっちも面倒みたい」

「なっちゃんのお姉ちゃんの気持ち、わかるな。どうして女子だけ化粧したり、髪の毛整えたりしなくちゃいけないんだろ?これは男女差別だよね」

「女子高生なんだから、もうちょっと可愛くいこうよ」

凜ちゃんはため息をついた。
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