My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 1

「その心配はありません。この辺り一帯は、ビアンカが守ってくれているので、他のモンスターが入ってくることはありません」

 所謂、縄張りというやつだろうか。
 ビアンカがあの長い胴でぐるりとこの周辺を囲っているイメージが頭に浮かんだ。

「じゃあ、皆で一緒に入れるね!」

 なんだか急に楽しくなってきて言うと、二人とも笑顔を返してくれた。
 そしてすぐに汗ばんだ服を脱ぎ捨てライゼちゃん、セリーン、最後に私の順番でその泉に足を踏み入れた。

「うひゃ……!」

 思わずその冷たさに声が出てしまう。
 この暑さで水温も上がっているのではと思ったのだが、大間違いだった。
 深さは立っている状態でお腹くらい。
 全身浸かるまでは勇気が要ったけれど、入ってしまうとひんやりしてとても気持ちよかった。

 深呼吸しながら振り仰ぐと無数の星たちがチカチカと瞬いていた。
 視線を戻すとセリーンもライゼちゃんも気持ち良さそうに目を閉じていた。

 そのままふと二人の体系を見て、私は軽くショックを受ける。
 セリーンは言うまでもなく抜群のスタイル。
 そしてなんと細身なライゼちゃんまで、私よりどう見ても大きかったのだ。……胸が。

(この世界の人って、皆スタイルいいのかなぁ)

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