Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
あの時、中学2年生だった私は、社会人2年目の24歳になった。


あれから10年、私は今日、久しぶりにあの頃の仲間達に会うことになっていた。


『気が付けば、我々も2度目の年男、年女になる年になりました。卒業から9年、区切りには少し早いですが、この度、4年ぶりのクラス会を開催する運びとなりました。』


そんな通知が舞い込んで来たのは、前の年の秋のことだった。


(あずさ)はどうするの?』


当時も今も、親友である小川美里(おがわみさと)から電話があったのは、案内のハガキが届いた次の日だった。


「土曜日だし、行こうかと思ってる。」


『やっぱりそうか。』


私の答えに、電話の向こうで、さもありなんと美里が頷いている様子が伝わって来る。


『彼に、会えるかもしれないもんね。』


「うん・・・。」


美里の言葉に私は短く答えた。


『梓の気持ちは、変わってないんだよね?』


「うん。」


さっきと同じ返事をした私。でも思いはこもっている。


「美里はどうするの?」


『梓が行くなら、もちろん行くよ。梓の気持ちが変わらないんなら、私が知らん顔出来るわけないんだから。』


美里の言葉がそう返って来た。
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