私の中におっさん(魔王)がいる。
第二章・出逢いました。
 ぼんやりする目に、見慣れない天井が映る。自室の白い壁紙じゃない。格天井だ。おばあちゃん家の和室みたい……。

(でも、なんで照明器具がないんだろう)

 何気なくそんな風に考えて、急にハッとした。
 飛び起きて布団をはがすと、動悸がしてくる。

「私、空から……」

 跳ねるように周囲を見回す。
 そこは、十畳くらいの和室だった。左右と後ろに襖。絵柄が少し変わってる。龍やドラゴンのような生物が墨で描かれていて、かっこいい感じ。
 正面には、雪見障子っていうのかな。上半分が木枠に和紙、下半分がガラスのような素材で出来ている戸があった。
そこから光が漏れている。

「朝? 昼?」

 もしかして……。

「私、夢見てた?」

 明らかに空の上じゃないし、病院っぽくないし、布団の中だし……。でも、どこからが夢? 

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