冬の王子様の想い人
6.王子様への告白
翌日も梨乃と公園に向かったが、成果は得られなかった。

翌々日も同様で、一応予定していた日程はこれで終わってしまった。


それでも諦めきれずにもう一日だけ通ってみたいと親友に言った。

「それは構わないけど……今日は図書室整理があるから放課後すぐに一緒に行けないわよ?」

夏休み前の貸し出しに向けての準備があるらしい。


「うん、いいの。ひとりで行くから!」

勢い込んで言うと、慌てて止められた。


「それはダメ! もしもなにかあったら危ないでしょ」
「あれだけ人も多い場所だから大丈夫だよ」

心配性の親友を宥めるように言うけれど、納得してもらえていない。こういうところは雪華によく似ている。


あの電話の翌日は大変だった。

冗談と言っていたくせに、朝の通学電車で私の腰に両腕をがっちりまわしたまま離してくれなかった。

『約束、しただろ?』

悪びれもせずに形のよい唇を綻ばせる。


至近距離にある美麗な面立ちと伝わる体温に心臓は壊れる寸前だった。

終始ご機嫌の彼とは対照的に周囲からの注目もあり、羞恥心でいっぱいだった。


最近は朝の通学時間以外は校内であまり会えていない。

そもそも特進科と普通科はカリキュラムも異なるうえに、それほど接点もないのでこれが普通といえば普通なのだが、雪華は不満そうだ。


さらには放課後の連日の外出についてよく問い詰めてくる。
その度にバレないか冷や汗をかいてしまう。

あまりの過保護ぶりに今朝も楠本くんに『お前は父親か』と呆れたように言われていた。
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