同じ空の下。
あるところに一人の王子様がいた。その王子様は、森の中で会った隣の国のお姫様に会いたくなり、一人でその国へ向かった。
道の途中で王子はおなかがすいた。何か食べ物はないかと、森の中をさまよっていると、一人の男性がでてきて、こういった。
「初めてまして、こんにちは。私はこの近くに住んでるものです。王子様、何か探しているのでしょうか。」
「ああ。食べ物を探しているのだ。」
「ならば、こちらに来てください。私の家においしいご飯がございます。」
そう、男が言うと、王子は男について行った。
男の家は、小さな小さな木の家だった。中には、美味しそうなパンと、グラタンがあった。王子はあっという間に食べきった。そして、王子は男に質問をした。
「お前、名前はなんと言うのだ?」
「私は、アレンと申します。ところで王子様は、何故こんなところにいるのですか?」
「それがし、隣の国のお姫様に会いたく、旅をしているのだ。」
「あの... よろしければ、私におつきさせていただけませんか?」
「もちろん歓迎しよう。一人より、二人のほうが良い。これからは、名前で読んでくれ。わしの名前はメガロだ。」
「わかりました。王子さ... メ、メガロさん。」 
「後、もう丁寧言葉もおしまいじゃ。これからは友として、関わってくれ。」
「はい❗よろしくお願いします!」
王子様は助けてもらったお礼にアレンをつきびとにする事を了解し、お姫様のもとへ、また目指しはじめた。




二人は森をでて、ミノラという町に着いた。森では熊をみたり、木の棒が頭に落ちてきたりと、大変だった。そこで二人はミノラの町で、休憩することにした。
「どこで休憩しようか?アレン。」
「どうしようか。」
するとメガロの手のひらにさくらの花びらが落ちてきた。そこで二人は公園で、休憩することにした。公園には、さくらだけでなく、チューリップやつくし、菜の花などが咲いていた。すると二人の前に緑色のさくらが表れた。二人はそこで休憩することにした。
「これだけ歩いたから、疲れたな。何か食べたいものだ。」
「じゃあ、さっき公園の中に、お店があったから、おにぎりでも、買ってくる。」
アレンはそういうと、お店へ向かった。一人残ったメガロは、昔自分の主催したパーティーでのことを、思い出した。


メガロは、そのパーティーの途中で喉が乾いて、めしつかいの女性に、飲み物を持ってくるようにと、お願いをした。しかし、その直後事件は起こった。なんと、パーティーの外で行っていた花火が、パーティー会場の窓の石油ストーブの中に入ってしまい、火事がおきてしまったのだ。飲み物をとりにいっていた女性は、逃げ遅れて、亡くなってしまった。どんなことがあっても、忘れられないことだった。メガロは深いため息をついた。するとアレンが戻ってきた。二人は緑色のさくらの下で、楽しくご飯を食べて、休憩した。



二人はミノラの町を出て、川沿いを歩いていた。この川を歩いた先は、メガロが会いたいと思っているお姫様のいるお城があった。しかし川は長く、なかなかお城にたどり着けなかった。あっという間に夕方になってしまった。
「どうしようか。この辺りには、停まる宿がまったくない。ここらで一度休憩したいのだがな。アレン、どうしようか。」
「この川はしじみが採れる川ということを知ってるか?しじみを食べてから、また出発しよう。」
ということで、二人はこの川でしじみを採って食べてから、またお城へ出発することにした。スコップはない。二人は手探りで日が沈むまでしじみを探し続けた。しじみはあまり採れなかった。アレンが持っていたマッチで火をつけ、しじみを蒸し焼きにして二人は食べた。そして二人はお城へ出発した。長い長い川は、そんな二人をうつしていた。空は星が輝いていた。





二人はとうとうお城に着いた。メガロは目を輝かせながら、門番にこう言った。
「私は隣の国の王子、メガロと申すもの。この国のお姫様に会わせていただけませぬか?」
しかし、
「申し訳ありません、メガロ王子。今、我が国のお姫様は、外出しておりますゆえ、本日はお会いできないかと思います。」 
「姫はいつお帰りされるのか?」
「明日のお昼の予定でございます。本日は我が国のお城で、お泊まりしていきますか?」
「ああ。よろしく頼む。」


ということで二人はお姫様のいる国、ミーデホに泊まっていくことにした。ミーデホはたくさんのお店があった。宝石屋、お香屋、レストランや、お洋服屋まで、とにかくたくさんあった。

そしてお城の食事は、いままで豪華な食事をしていなかったからこそ、豪華に感じた。

そして寝る前のことだった。


「メガロ!お誕生日おめでとう❗」
それは、アレンからのお誕生日祝いだったのだ。アレンはメガロに小さな箱を渡した。中には爽やかな香りの香水が入ってあった。昼間、たくさんのお店をまわっていたとき、メガロが欲しがっていた香水だった。
「アレン、本当にありがとう❗今回、お城に無事たどり着けたのは、すべてアレンのおかげだ!」
「そういってもらって嬉しいよ、メガロ。実はもうひとつプレゼントがあるんだ。ちょっと準備をするから、目をつぶっていてくれないか?」



メガロが目をつぶった。













「お待たせ。」
そうアレンが言って、目を開けたその時だった。




ダン...



鉄砲でアレンはメガロをうったのだ。
「なっなん... で... 」
「あれー忘れましたか... しょうがない説明してあげますよ。昔あなたはパーティーを行いましたよね?その時逃げ遅れた女性には、一人の子供がいた。男の子が一人。お母さんと二人で生活していましたよね。その男の子が僕なんですよね... ふふふ... わざとじゃなかったって言いたいでしょう?でも、わざとじゃなかったで通用しないこともあるんだよ!!!」
そう言うと、アレンは鉄砲をメガロに向けて、うった。そしてその部屋に灯油をまき、火をつけた。


焼け跡からはメガロの遺体しか、見当たらなかった。
そう、アレンのねらいは、メガロだけではなかったのだ。




アレンの復讐劇は、まだ始まったばかりだった。

        
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