部長は私を甘やかしすぎです!
第十一章

◯サクラスーパー舟木店

竜二は店の鍵を開けて店内を見てまわる

内田がやって来た

内田 「おはようございます。早いですね」

竜二 「おはようございます。客がいないときに見ておきたいとこもありまして」

内田 「仕入れのトラックが到着するので裏にいます」

竜二 「ああ」

エアコン業者の車が次々とやってくる

竜二 「おはようございます。急に申し訳ありません。お願いします」

一人一人に頭を下げた

人数を揃えてくれていた為どんどんフィルターを外していき洗っていく

朝からの社員とパートさん達も次々とやってくる

竜二は一人一人挨拶をしていく

竜二 (店長はいつ来るんだ!)

スタッフルームに入る

竜二 「今日は皆様に草引きを頼んでしまって申し訳ございません」

店員 「大丈夫です。私達も気になってましたし」

皆が頷いてくれた

竜二 「店長はいつも遅いんですか?」

店員 「そうですね、ギリギリですね」

パート「それに、最近お酒の匂いが残ってますね」

パート「あー、そうね」

竜二 「店内の掃除は?」

店員 「トイレは時間で決まってますけどフロアは最近いませんね」

竜二 「掃除で雇ってる人が二人いるはずですが」

パート「時々見かけますね、毎日はいませんよ」

竜二は背広を脱いだ

竜二 「すみません、じゃあ草むしりに取り掛かってもらえますか?」

みんな一斉に立ち上がる

竜二は店内のモップがけを始めた


草むしりを終えた人達が戻ってきた

店員 「部長、掃除してたんですか?」

竜二 「誰かがやらないと……清潔が一番です。内田さんを呼んできてください」

店員 「はい」

内田 「部長、僕がしますよ」

竜二 「大丈夫です。もう終わります。レジを一つ開けてみんなに飲み物渡してあげて下さい、あとエアコンの業者にお茶を十本通して袋に入れておいて下さい」

内田 「はい」

暫くして内田がやってくる

内田 「部長、店長室電気がついてます。後は僕が……」

竜二 「ありがとうございます」

汗を拭って店長室に入る

竜二 「おはようございます」

店長 「あっおはようございます」

立ち上がると机には缶コーヒーが置かれていた

竜二 「……みなさん草むしりを終えて休憩に入ってます。貴方は何もしてないのに呑気にコーヒーですか?店長ならもっと早く来るべきじゃないですか?」

竜二は店長に近付いた

竜二 「酒の匂いが残ってますね。それでお客様の前に立つんですか?改善できないようなら覚悟しておいて下さいね」

竜二はフロアに戻った

竜二 「内田さん、もういいですよ。時間がないのでお客様を迎える準備にあたってください」

内田 「はい」

竜二は外に出て業者にお茶を配る

業者 「室外機は部品を交換しないと無理ですね。また治しておきます」

竜二 「ありがとうございます。請求は本社の方へ送っておいて下さい。経理に話は通してますので」

業者 「わかりました。おい!終わったとこから撤収してくれ」

竜二は帰っていくトラックに頭を下げる

竜二 「急だったのに人を集めていただいてありがとうございます。またお礼に伺います」

業者 「仕事だから(笑)」

竜二は最後の車に頭を下げ店内へ入る

竜二 「みなさん、今日は突然のことですみませんでした」

頭を下げた

竜二 「朝の出勤の方だけに頭を下げさせるのは非常に申し訳ないのですが開店時に元気のよい挨拶とお詫びの言葉を十五分仕事しながらお客様にお願いします。早朝手当てをつけさせてもらいます。では開けます。各自持ち場へ」

みんなバラける

竜二は店長と外に出て待っているお客様の前に行く

竜二 「皆様いつも当店をご利用いただき誠にありがとうございます。本日はこちらの都合で開店時間を遅らせてしまい大変ご迷惑をおかけしました。ただいまより開店いたします」

二人は深々と頭を下げた

中から内田がドアを開ける

店員 「おはようございます!いらっしゃいませ!」

店内に従業員の挨拶が飛び交う

内田 (活気がある……)

竜二は大きな入り口で店長はもう一つの入り口で頭を暫く下げた

三十分ほどして流れが落ち着いてきたので竜二は朝の人達に声をかけていく

内田に声をかける

竜二 「前の面接の時に何故言わなかったんですか?」

内田 「店長が店を良いものにすることを言うんだぞと言ってたので」

竜二 「基本そうですが、どこの店舗も愚痴だらけだったですよ。まあ店長のことはまた考えます」

内田 「はい正直今の店長ではみんなついていけません」

竜二 「何か変化が?」

内田 「離婚したらしいです。本社から書類とか取り寄せてましたから」

竜二 「課長でまだ止まってるのかな、ありがとうございます」

竜二は店長のところに行く

竜二 「店長、私は本社に戻ります」

店長 「はい」

竜二 「掃除の人は?」

店長 「来たり来なかったりで」

竜二 「そういうのも報告してください。シルバーで派遣されているとはいえ誰かがいないなら代わりにしなければ……必要で雇ってるんですからね」

店長 「はい」

竜二は本社に電話する

竜二 「真中です。真木へつないで」

真木 「はい、おはようございます」

竜二 「おはよう。今から舟木店を出る。昼休憩とってから出社する。何かあるか?」

真木 「山口さんがお見えになりました」

竜二 「一時に戻ると伝えといてくれ」

真木 「わかりました」

竜二 (汗かいた、一度着替えに戻ろう)

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