部長は私を甘やかしすぎです!
第九章

◯竜二のマンション

家に帰るとシャワーを浴びてビールと酢豚を食べる

竜二 (雫ちゃん……会いたい)

ソファーでウトウトしているとメールの音で目が覚めた

雫  ‘酢豚食べましたか?’

竜二 (もう九時過ぎか……)

電話のボタンを押していた

雫  「お疲れ様です。家に帰ってますか?」

竜二 「うん、今日は夕方からバタバタして、さっき帰って酢豚食べたよ。スープもありがとね」

雫  「いえ(笑)」

竜二 「会いたいと思ってて連絡きたから電話しちゃったよ」

雫  「そうなんですね、大変でしたね」

竜二 「うん、そうなんだ」

雫  「お話聞きに行きましょうか?」

竜二 「えっ来てくれるの?」

雫  「私、もう夏休み入るんで昼間は暇ですから遅くなっても大丈夫ですよ。明日何か作る予定だったので」

竜二 「来て!」

雫  「(笑)はい、あと十分ほどで着くと思います」


雫は鍵を開けて入ってきた

雫  「あれ?」

ソファーで横になっていた

雫  「竜二さん来ましたよ」

バックを下ろしてソファーの前にまわる

雫  「風邪ひきますよー」

竜二は雫を引っ張り抱き締めた

雫  「キャッ」

竜二 「びっくりした?」

雫  「はい、びっくりしました。どうしました?」

竜二 「舟木店知ってる?」

雫  「はい、場所は知ってますよ」

竜二は今日の舟木店での出来事を話した

雫  「それはひどいですね。店長さんがどうしてそういうずさんな事をしたかですよね」

竜二 「そうなんだよ。ベテランなのに」

雫を後ろから抱き締めてソファーに座っていた

竜二はウトウトし始める

雫  「竜二さん?」

竜二 「ん?」

雫  「眠たいなら寝てください」

竜二 「んー雫ちゃん一緒に寝て」

雫  「でも、バイト先から直接来たので着替え持ってきてないです」

竜二 「シャワーして俺の服着ていいから」

竜二はあくびしながら寝室に入っていく

雫  「じゃあ、お借りします」

寝室に行くと竜二は横になっていた

竜二 「早くね……」

雫は竜二の着替えの中から服を選びシャワーをする

雫は緊張してきた

雫  (もしかして……スルのかな……)

シャワーを終えて寝室に行くと竜二はスースーと寝ていた

雫が入れるように奥側に……

雫  (疲れてたんだ(笑)寝顔可愛い、おやすみなさい)

朝六時にタイマーが鳴る

竜二 (ん?いつもと音が違う、どこで鳴ってる?)

竜二は目を開けて横を見る

竜二 (雫ちゃんの携帯か)

タイマーを解除した

竜二 (泊まってくれたんだ)

雫の頭をなでてゆっくり雫を抱き締める

竜二 (ウエスト細いな)

雫  「うーん暑い……」

竜二 「クスクスっ」

雫の脇腹をこそばした

雫は目を覚ました

雫  「こそばいです~」

竜二 「目覚ましなったのに起きないからだよ」

雫  「えっ、鳴りました?」

竜二 「うん、俺が止めた(笑)」

雫  「いつも何時に起きるかわからないから六時にしたんですけど早かったですか?」

竜二 「いつもは七時にタイマー入れてる。雫ちゃん朝弱いの?」

雫  「いえ、中々寝付けなくて慣れないお布団と竜二さんと一緒に寝るのに緊張しちゃって」

竜二 「可愛い~」

雫にまた抱きついた

雫  「あの、服お借りしました」

竜二 「うん、俺が言ったんだもんね」

雫  「覚えてますか?」

竜二 「なんとなく、ごめんね昨日愚痴って」

竜二は雫のおでこに自分のおでこを当てる

竜二 「仕事頑張る。チュッ」

雫の唇に軽くキスをする

雫は真っ赤になっていく

竜二 「初めてしちゃったね。可愛いよ」

雫は竜二にピタッと顔をうずめてひっついた

雫  「何か食べますか?」

こもった声で尋ねる

竜二 「何か出来るの?」

雫  「冷凍ごはんあるので雑炊とかチャーハンとか何でも……」

竜二 「じゃあ雑炊でお願い」

雫  「はい」

雫はベッドから出て朝食の準備を始める

二人は一緒に朝食を食べた

竜二 「夏休みに入るなら荷物運ぶといいよ」

雫  「あっ、はい今日着替えとか持ってきますね」

竜二 「また一緒に寝よ(笑)」

雫  「はい、今日はクリーニングも出しておきます」

竜二 「これお金渡しておく。また休みになったら色々決めようね」

雫  「はい、わかりました。ではお預かりします」

竜二 「ご馳走さま」

仕事に行く支度を始める

竜二 「じゃあ、行ってきます」

雫  「いってらっしゃい」

二人 (新婚みたい……)

二人は同時に頭に描いた


◯本社ビル

電話が鳴る

竜二 「はい、つないで」

舟木店の店長からだった

竜二 「おはようございます」

店長 「おはようございます。今から伺ってもよろしいでしょうか?」

竜二 「体調は大丈夫ですか?」

店長 「はい」

竜二 「ではお待ちしてます」

ドアを開ける

竜二 「今から舟木店の店長が来るから通して」

真木 「はい」

一時間後

店長 「失礼します」

ソファーにうながす

竜二 「体調を崩すのは仕方ありませんけど、やるべきことはやってもらわないと困りますが……」

店長 「はい」

竜二 「エアコンの掃除は何故してないのですか?」

店長 「会社がなくなっててどこに依頼しようかと思ってたらどんどん日がたってしまってました」

竜二 「私か課長に言ってくれればいいものを……レジの故障は?」

店長 「回せるかなと」

竜二 「必要な台数だから設置してるんですよ、その分お客様を待たせることになります。必要ないなら言ってください。撤去して品物置く方がいいですから」

店長 「はい、必要です」

竜二 「明日のことは聞いてますか?」

店長 「はい、開店時間の変更と朝の草引きです」

竜二 「明日は店開けるときにはしっかりと頭を下げてくださいね。明日は私も行きますから」

店長 「はい」

竜二 「レジは修理するよう手配済みです。もういいですよ」

店長 「はい、失礼します」

竜二は店長を帰した


真木が入ってきてお茶を片付ける

真木 「部長」

竜二 「ん?」

真木 「おとがめなしですか?」

竜二 「まあこれから改善されなければ考えるよ」

真木 「最近お優しくなりましたよね」

竜二 「そうか?」

真木 「お帰りも早いのでプライベートの充実ですかね?」

竜二 「そうだなー、今まで必死にやってきたからね……心に少し余裕が出来たかな」

真木 「今日も早く帰りますか?(笑)」

竜二 「そうだな、早く帰れるように仕事終わらすかな(笑)明日は早いし、頭下げないといけないしな」

コンコン

真木がドアを開ける

山口 「失礼します。部長、企画通りました」

竜二 「そうか、よかったな」

山口 「これから進藤さんとこに行ってきます。大至急話を進めたいので」

竜二 「頑張れよ」

山口 「あの、日が決まったので先に報告に来たんです」

竜二 「八月四日です」

真木は竜二を見る

竜二 「その日夏休み取ってるんだよ」

山口 「えっ、そうなんですね」

竜二 「うん、まあトラブルとかあったらすぐ電話くれ、なるべく近場にいるようにするから」

山口 「はい、また当日までに相談にきます。じゃあ行ってきます。」

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