いつか終わると決まった物語
「母さん…はい、これ。」
私はたっぷりと摘んできた野苺を母さんに渡す。
「あ、ありがとう。洗っておくれ。ジャムにするからね。」
私は少し微笑む。母さんの野苺のジャムは私の大好物のうちのひとつだ。このセカイで唯一果物として食べることが出来るのは野苺だけだった。
(向こう側にいた時は葡萄が1番好きな果物だった。でももうあの味は食べれないんだよなぁ。)
前のことを考えてしまうとやはり少し淋しくなる。でもそれを振り払う程の気持を創り、淋しさを抑え込んでいた。
それに新しい知り合いも出来たのだった。アリトの家では新鮮なゼッシュという魚が捕れる。ミーリの家ではアッダーリというほろ苦いが美味しい野菜を育てている。環境に順応すれば、何不自由ない生活を送れるセカイだ。
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