鬼課長の魔法の義足。(11/24修正完結済み)

課長と松岡さんって腹の底にある
黒い部分が似ているんだわ!?
彼もまた魔王なのだろう。怒らすともっとも怖い存在。
逆らわないように気を付けようと思った。

そしてランチを食べた後は、色々と見て回ったりした。
その際、夏美さんは、松岡さんに分かるように
説明をしたり触らしたりして楽しんでいた。
見ていても何だか仲のいい微笑ましいカップルだった。
私達もそんなカップルに見られるといいなぁ~なんて
思ったりした。思わずフフッと笑ってしまった。

夕方になると駅で解散することに。
夏美さんは、松岡さんを送って行くと言うので
手を振ると別れて帰ることにした。
課長とホームで電車を待っている時に私は、
お礼を言った。

「今日は、付き合ってくれて
ありがとうございました。とても楽しかったです」

「いや、こちらこそ今日は、楽しかった。
Wデートとは、どんなものかと思ったが意外と
楽しいものだな」

「はい。私も初めてなのでドキドキしましたが
楽しかったです。またやりたくなりました」

どうやら興味を示してくれたようだ。良かった……。
課長と出会ってから初めてのことをいっぱい
経験している。どれも新鮮で素敵なことばかりだった。
私は、ニコニコしながら話すと
課長は、クスッと微笑んでくれた。

「そうだな。しかし今度は、Wとは言わずに
家族デートとして来たいものだな」

家族デート……?
私は、一瞬どういう意味が分からなかったけど
課長のニヤリと笑う表情を見て理解する。
そ、それって……!?

意味が分かると恥ずかしくなる。もう……課長ったら。
でも、とても嬉しかった。
そうですね。それら、素敵だわ。
次は、家族デートもいい。
私達の間に可愛い子供を連れて……。

私達は、自然と手を繋ぐと微笑んだ。
手から伝わる温もりを確めながら……。
それから1ヶ月後。

「結衣。準備が出来たか?」

「はい。」

私は、笑顔で返事する。
今日私は、課長のお嫁さんになる。
純白のウェディングドレスを着て式を挙げた。 

さて、これから一体どんな出会いが待っているのだろうか?
課長の魔法のような義足で歩く未来は、きっと明るく
幸せを切り開いてくれるのだろう。
私達は、これからも走り続けて行きたい。


END。

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