鬼課長の魔法の義足。(11/24修正完結済み)

誤解からの愛。


「明後日。夜の19時に居酒屋『千鶴』で
やるのだけど」

明後日ならスポーツクラブも休みだし何とかなるか。
本当なら行く気もないところだけど
これ以上断るのもね……。

「参加だけでいいなら……」

「本当!?良かった~もしかしたら
そこで新しい出会いがあるかもしれないし。
二階堂さんも課長のことは、忘れて
楽しんでくれたらいいから」

いや……参加だけって言っているのだけど
ちゃんと聞いてる?
仕方がなく苦笑いしていると後ろから嫌な気配がした。

「お前らのその熱心さは、仕事に
行かせればいいのだがな」

ビクッ!!
慌てて後ろに振り返るといつの間にか
課長が後ろに立っていた。
ま、まさか今の話、聞いていた!?

「か、課長……今、出掛けたのでは?」

「忘れ物を取りに来たんだ」

紺野さんが恐る恐る尋ねる。
すると課長は、ギロッと睨み付けてきた。
それだけ言うと自分のデスクの方に行ってしまった。
忘れ物ですが……。課長にしては珍しいことだが
私は、ショックと驚きで硬直してしまった。

「何あれ……こわ~い」

「二階堂さん。悪いこと言わないから
課長は、やめた方がいいわよ。違う男にしなって」

紺野さんを含め数人の女性社員に言われる。
だが私は、そんなことよりも
また課長に聞かれて誤解をされたことで
頭がいっぱいだった。

どうしよう。これだと余計に課長と険悪になっちゃう。
何とかして誤解を解きたい。
せめてスポーツクラブで……。

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