願い婚~幸せであるように~
夫婦となって
「お夕飯、どうしましょうか? 冷蔵庫にはまだ何も入っていないので、買い物に行ってきますね」


荷物を置いた私は座ることなく、バッグを手にした。マンション内にコンビニはあるが、徒歩五分くらいのところにあるスーパーに行こうと思っていた。


「待って。和花も疲れているだろうし、外で食べようか?」

「でも、簡単に作るつもりなので、ここで食べましょうよ」


ゆっくりと向かい合って、食べたかった。


「じゃあ、俺も一緒に行く」


食事会でシャンパンを飲んでいたので、車は出さず歩いて行った。

調味料もなかったから、とりあえず必要なものをあれこれ買ったら、袋ふたつ分の量となる、


「ひとつ、持ちます」

「大丈夫。和花はドアを開けてくれたらいいよ」


結構重いはずなのに軽々と持ち上げて見せる幸樹さんに私は頷いて、荷物持ちをお願いする。

運んでもらった食材を私が冷蔵庫等に入れていると、幸樹さんがポンと手を叩く。


「そうだ、すみれからもらったのを見てみよう」

「そうですね」


白いソファに並んで座り、包装紙を開ける幸樹さんの動きを見た。食事会を終えて別れるとき、すみれからプレゼントと渡されたものだ。
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