アンバランスな苦悩

拒否

「悪いな
待たせただろ」

助手席に乗ってきた
スミレに俺は笑顔で言った

スミレは首を振るが

握った手は冷たくなっていた

「今日は真面目な話があるんだ」

「瑛ちゃんが
呼び出すときって

大抵
真面目な話をするときだから
わかるよ」

そっか
そう言えば
そうだな

俺は
いつも勝手に押しかけて
スミレに
カマってもらうんだもんな

俺は車を発進させた

「お袋がな
スミレに謝っておいてくれ
って言ったから

伝えたかったんだ」

「本当に?」

「ああ
昨日の夜
ブチ切れた

マコと付き合ってるって
誤解した上に

ヤリまくってるって
言うから

つい頭にきて
エッチしたいのは
こっちのほうだ!
って

言っちまった

触ろうとするだけで
腹に蹴りを
いれらるんだって

話したら
お袋が驚いてた」

大きな声で俺は笑うが

スミレは下を向いて
真っ赤な顔をした
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