アンバランスな苦悩

女の影

「体育教師でもないのに
ジョージで出勤だなんって
何を考えてるの?」

マコが保健室に入ってきた
生徒は授業中だ

マコは空き時間だったのだろう

怖い顔をして
ずかずか中に入ってくると

回転椅子に座って足を組んだ

俺の向かい側に座って
鋭い目で睨んでいた

「赤い車に乗った
熟女に校門まで送られて

疲れた顔をして降りてきた男は
保健医の小泉先生

噂はもう
スーちゃんの耳に入っているはずよ

すごい勢いで
生徒たちが話してるもの

どういうことか
説明してくれるかしら?」

「知り合いの女性だ」

「は?

それでマコが納得すると思ってるの?」

思ってないけど
それ以上は言えない

「昔の女に会ってたくらい
マコは気にしないけど

スーちゃんは違うよ」

「わかってる」

「わかってるなら
どうして
怪しまれるような行動をするの?

昨日だって
結局
エッチしなかったんでしょ?

スーちゃん
元気なかったよ」

「悪い、ちょっと」

俺はズボンのポケットから
携帯を出した
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