アンバランスな苦悩

監視

深夜0時

俺はやっとスミレと離れる決心がつく
静かに窓を閉めると

ベランダを歩く
自室の前で
煙草を吹かすと

しばらく冷たい風に
体を冷やした

スミレは俺が
煙草を吸っているのは
知らないだろう

学生時代から
隠れて吸っていた

ストレスが溜まったとき
苛々を解消したいとき

あとは
我慢できないとき…

スミレは男を知らなすぎる

男はいつも
好きな女の裸を見たいと思っている

この手で抱きたいと思っている


でも怖いと思う部分もある

スミレの心地よさを知ってしまったら

歯止めがかけられなくなる
今まで
我慢できていたことが
出来なくなりそうだ

「あ~
ヤダやだ!

悶々とする男は格好悪いね~」

独り言を言いながら
ベランダの窓を開けると

ベッドにお袋が足を組んで座っていた

鋭い目で俺を睨むと
立ち上がって

両の頬を
力いっぱい叩く

乾いた音が
室内に響いた
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