ど天然彼氏の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
クラスメイトや部活仲間として、キミたちは今までと同じではなかった。

そうして、僕はやっと知った。

告白というものをすると、決定的に変わってしまうことがあるのだと。

それまでと同じ、は叶わないということを。

いや、叶う人もいるかもしれない。でも、キミの場合は無理のようだ。

キミと変わらない仲が無理なら、僕は告白なんて出来ない。

だって僕にはこの、キミのライバルで幼馴染で腐れ縁って立場が、何より大事な僕の位置だったから。

ぼくのアイデンティティだった。僕を構成している土台だった。

だから、キミのライバルで幼馴染で腐れ縁をなくしてしまうくらいなら……好きという気持ちは、キミに見せることは出来ない。そう思った。

――それが中二の夏のこと。

それからも僕らは、成績を競い合って、部活でもゴールを決めまくって、今までと変わらず、ライバルと言われる関係だった。

高校生になった、今も。

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