秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
5.結婚、そしてその後…
~九条春臣side~

準備まで1年をかけただけはある。

葛城邸は九条邸として建物の外側は昔の趣を残したまま、俺と夏菜の新居として新しく生まれ変わり、引っ越しも先週すませた。

主要な挨拶先もすべて網羅し、式への招待客にもぬかりはない。

夏菜は経理課でうまく立ち回っているらしい。
本来はそういうことがきちんとできる人間なのだ。
おそらく、木谷との一件で、夏菜の心が今まで凍ってしまっていただけのこと。

社内での結婚発表の際に、木谷が示した態度は、夏菜への懺悔だったんだと思う。

あの時の木谷のおかげで、夏菜は会社の敵をかなり減らしただろう。

そして、木谷も…今では仕事をバリバリこなし、あの若さで課長候補にまであがってきている。

今は、夏菜をふっきって仕事一筋と言ったところか…
そのうち木谷も一生大切にできる女性と出会えるだろう。今の木谷なら大丈夫だ。


夏菜は、もともと仕事のできる人間。
それは管理部長からももともと聞いていた。

夏菜さえのぞめば…もし子どもができてもずっと仕事を望むのであれば、いずれは経理課を任せたいと思っている。

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