秘密の同居生活~オレ様副社長の罠にはめられました~
2.交錯する想い
~葛城夏菜side~

ビルの借主宛に家賃値上げの案内を作成して、宝永ビルの担当さんにもお願いして見てもらったりしながら、ようやく副社長にも今、見てもらっているところだ。

「うん。いいんじゃないのか?今から送るんだな?」

「はい。」

「来週も俺いないけど、大丈夫か?」

副社長は、さっき帰ってきたところなのに、月曜日の朝早くにまたすぐシンガポールに発つらしい。

わたしが作成した書類を脇に置くと、心配そうにわたしを覗き込んだ。

覗き込まれたわたしはドキドキしてしまう。

副社長カッコよすぎますから…
あんまり見ないでください…。

「大丈夫…だと思います。」

「何かあったら、すぐ電話してくればいい。」

「はい。」

毎度ながら、副社長のこの安心感…
心強い…。

「ところで。明日はどこに行く?」

「え?どこって…副社長疲れてませんか?」

と話して、副社長が睨んでることに気づく。
ひゃっ…
そうだった…!

「あ…の…春くん。」

こんな呼び方…ムリなんですけどっ!
恥ずかしくて穴に入りたい気分。

っていってもわたしが蒔いた種なんだけども…。

「疲れないために行くんだよ。リフレッシュしないとまた月曜日から仕事漬けなんだからな。どっか行くぞ。」

「じゃあ。水族館行きたいかもです。横浜の水族館で、ペンギンが産まれたんです。」

「へぇ。じゃあそうしよう。」

出かけることになってしまった…。
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