私を殺して
出会いは必然。
夜の繁華街。

ネオンがきらびやかに光り、街の通りはまるで夜の大人の世界。

子供には不似合いな街だった。

人が通れば、勧誘。

店に入れば、賭博。売春。闇金。風俗。

昼は安全な通りだが、夜は裏社会でも有名な治安が悪い通りだった。  


そこには、一つの噂があった。


「裏路地で裏取り引きすると狼が出る」


と。

裏路地はいわば、裏取り引きの定番の場所。

人通りは少なく、喧嘩が起きても警察に見つかるのは遅く、裏社会の人々にとっては、都合の良い場所だった。

それに伴い、ありとあらゆる犯罪も絶えなかった。


人々が諦め、目を背けたこの街に狼が現れた。


決して無駄な私語はせず、ひたすらに悪事を働いた人々に成敗を与える狼が。












人々は狼を恐れ、こう呼んだ。









【狼月華ーRouGetsuKaー】





と。


狼のように、獲物を捉え、月を背面に華のように華麗に舞咲くような姿だと。



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