先生の全部、俺で埋めてあげる。
1章

初めての感情


俺の通う学校の近くに、図書館がある。

市営の図書館で、学校の近くにあるのに何故か同校の生徒はほとんど来ない。

図書館にいる人それぞれが本を探したり調べ物をしたりと、自分の目的を果たすためにそこにいる。



放課後、俺は一人で考え事をしたい時に、その図書館へ向かう。

今日も少しイライラしていて、適当に本を選んで手に持った。

8人掛けの広いテーブルが4つ並んでいるコーナーがあって、誰も座っていない場所に座って本を開く。



本の内容なんて全然頭に入っていない。

ただなんとなくページをペラペラとめくりながら、今日一日のことを振り返っていた。

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