緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー

2)楓馬からの呼び出し

何気なく庭を散歩していただけなのに。
今日も緑が穏やかで、鳥のさえずりが聞こえる気持ちの良い朝だななんても思ってたのに。

突如現れ、世間話でもするかのように話し始めた神谷さんの言葉に、耳を疑った。

「信じられないのは私も同じです。
楓馬様は、来年にはもう…。

嘘であって欲しいものです。
今まで以上に明るく振る舞っていらっしゃるのも、私達を安心させる為だと思うと、胸が締め付けられる思いです。

ですが、楓馬様の前では、決して泣くわけにはいきません」

「そんな…、来年っていくらなんでも」

嘘であってほしい。
あんなに元気そうなのに。
どこも悪くなさそうなのに。
私に対してだって、好き勝手やってて、身体だってよく動かしてるし頭だってかなりキレる。

それなのに、あと1年で命が消えてしまうの?
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