緊急逮捕-独占欲からの逃亡ー

2)警察のお仕事

ゆったりした時間の中、神谷さんから朝食のスープを受け取る。

「昨日も駅の近くで不審者が出たそうですね。物騒ですから、莉子様も帰りはあまり遅くなられませんよう、お気を付けください」

「はい。そんなに遅くなる前に帰ってくるつもりです」

「だから、俺が迎えに行くって言ってんじゃん」

「それは結構です」

一緒に電車に乗ったらろくなことにならない。
その危険を身をもって学んでる。

穏やかな朝はいつの間にか姿を消し、いつも通りの言い合いの朝を迎えていた。

駅までならまだしも、大学まで来られたんじゃどうなるかわからない。

最近になって知ったけど、駅前の交番に勤務してる警察官がカッコイイと、大学の中では噂になってる。
その噂の人物がおそらく楓馬君。

既に目立ってるんだから、安易に構内に足を踏み入れられては困る。
絶対に騒ぎになる。
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