私の中におっさん(魔王)がいる。~黒田の章~
第十一章・黒田の過去・中編~見裂ヶ原の戦い~・前線編
 見裂ヶ原は、広大な平地であった。
 おうとつはあるものの、ほぼ平面で、緑が芽吹いたばかりの、草原が広がっていた。
 そこに、殺気の渦が巻く。

 東側に赤色の甲冑を纏った兵士達が、不敵な笑みで佇み、隊列のあいだには、紅い旗が風に揺らめく。――功歩軍である。

 その数、約一万二千。内、五百が料理人や楽士や、商売女であった。

 歩兵隊(能力者隊)五百。
 翼竜隊(空軍)二千五百――内、能力者二十。
 地竜隊(陸軍)八千五百――内、四千五百が喰鳥竜隊。四千が四足竜隊。
 内、能力者――喰鳥竜隊、四足竜隊合わせて八十である。

 功歩軍に向き合う形で、西に陣を敷く軍がある。
 薄い水色に輝く甲冑を身に纏い、迎え撃つは美章軍である。
 その数、約一万。

 歩兵隊(能力者隊)千。
 翼竜隊(空軍)二千――内、能力者十五。
 地竜隊(陸軍)が七千――内、三千が喰鳥竜隊。四千が四足竜隊。
 内、能力者――喰鳥竜隊、四足竜隊合わせて四十五である。
< 85 / 146 >

この作品をシェア

pagetop