一夜からはじまる恋
未来への一歩
「なんか、顔色悪くない?」
「緊張・・・」
樹は大きな門の前に立っていた。
ここは湊の実家。

今日は湊の両親へのあいさつの日。

あまりにも大きくて門の前で足がすくむ樹を見て湊は
「大丈夫だって。俺の隣りにいるだけでいいから。」
と樹の手を握った。

「・・・気持ち悪い・・・」
「吐きそう?」
「・・・我慢できる。こんな格好でよかったかな・・・」
久しぶりにスーツを着た樹はお腹がきつくてどれも着られず、結局ワンピース姿だった。靴もヒールは履けない。靴だけでもとヒールを履こうとする樹を湊が全力で止めた。
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