結崎さんの助手になって、一ヶ月が経った。
俺はあの日以来、結崎さんに会っていない。


仕事が入れば連絡すると言われていたのだが、一切連絡が来ない。
探偵ってそんなに暇なのか。


「悠吾、そんなにスマホと睨み合いしてどうした?どっかの結果待ちか?」


一緒に学食で昼を食べている友人の津森(つもり)がラーメンをすすりながら聞いてきた。


「いや……」


曖昧に答えたら、ラーメンの汁が顔付近に飛んできた。
目の前に座る津森が、俺を睨んでいる。


「もう女が出来たのか?一ヶ月前にあんなことがあったのに」
「ちげーよ。知り合いに、仕事が入ったら手伝って欲しいって言われたんだけど、連絡が来ないんだよ」


そう言った瞬間、メールが届いた。


『瀬戸さん、お仕事です。時間があるときに事務所に来てください』


何をするのかは、一切書かれていなかった。
どんな仕事か気になったし、今することもないから、俺は残りの親子丼をかきこんだ。


ゼミ室に置いていた荷物を取ると、結崎さんの事務所に急いだ。


あの日よりも軽い気持ちだったからか、ドアノブが簡単に回った。


「あれ、瀬戸さん。早かったですね」


結崎さんは呑気に何かを飲んでいる。