極上蜜夜~一夜の過ちから始める契約結婚~
ラブアフェア
生まれて初めて訪れたローマの街は、私の心とは裏腹に、すっきりと爽やかに晴れ渡っていた。


長靴みたいな面白い形をした、地中海沿岸の国・イタリア。
澄み切った青空から燦々と降り注ぐ太陽光に彩られた街は、どこもかしこもキラキラしていて美しい。
日本よりも太陽に近いのかも、と思えるほどだ。


私、門脇(かどわき)泉水(いずみ)は、こぢんまりした可愛らしいプチホテルのロビーから外に出た。
不揃いな石畳が敷かれた狭い路地から仰いだ、空の青さが目に染みて、重い溜め息をつく。


昨日の夜、成田からの直行便で、私は一人、ローマに降り立った。
九月も下旬とはいえ、ローマの街は日が長い。
夕闇に包まれた空港からエアポートバスで市内に出て、とっぷりと陽が落ちる前にホテルにチェックインできた。
その後は時差ボケもあり、夕食も取らず、キングサイズのゴージャスなベッドに沈んでしまった。


長いフライト疲れか、途中一度も覚醒することなく、すっきりした目覚めを迎えた朝。
本日、ローマ観光初日――。


大学の卒業旅行で、友人たちと訪れたのはミラノだった。
イタリア旅行はそれ以来七年ぶりで、このローマには、システィーナ礼拝堂やトレビの泉、コロッセオにスペイン階段……ずっと憧れていた観光名所が山ほどある。


今、私の足元は、街歩きに備えてスニーカー。
動きやすいサブリナ丈のパンツに、Tシャツ、ウィンドブレーカーといったスタイルだ。
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