大嫌いな君と再会したら…
合コン
それから、しばらくは平穏な日々が過ぎていった。

一磨は、大学院卒というだけあって、飲み込みも早く、与えられた仕事を卒なくこなしていく。

しかも、それでいて驕ったところもなく、人当たりもいいので、女子人気は鰻上りだった。

「有希(あき)、合コンしてよ」

社食で同期5人と昼食を取っていると、頻繁に頼まれる。

「いやよ。何でそんな面倒なこと」

毎回、私はそう言って断る。

一磨に頭を下げるのも、一緒に飲みに行くのも御免だった。

なのに…

「お、平井、楽しそうだな。隣、いいか?」

楠さんが声を掛けてきた。

「どうぞ、どうぞ」

私ではなく、向かいの莉緒(りお)が答える。

「楠さん、合コンしません?」

「っ! 莉緒!」

私は慌てて止めるが、もう後の祭り。

「お、いいねぇ。メンバーは、この6人?」

彼女いない歴2年の楠さんは早速乗り気だ。

「はい。できれば、岡田君も誘って
ほしいんですが… 」

「ええ!? 岡田狙い? 俺じゃないの?」

「えへへ」

莉緒は笑ってごまかす。

「ま、いいけど。平井、来るんだろ?」

「え… 」

私が渋い顔をすると、

「お前、強制参加だから、逃げるなよ」

と言われた。

「何でですか。私なんていてもいなくても
一緒じゃないですか」

「お前抜きで美女5人と合コンなんて、緊張
するだろ」

はぁ……
なんで私が…
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