【短】Crazy For You

二人、黙ったままで過ごす、ある日の休日。
久しぶりのポカポカ陽気に、水美は陽の当たるフローリングでゴロゴロしてる。
オレは、そんな水美を視界に入れながらも流行りの小説を読んでいた。
でも、ココだけの話、全然さっきからページは進んでいない。
だって、ずっとしゃべらないでいる水美がどうしようもなく気になるから。
別に、喧嘩してるわけじゃないし。
いつものように水美が一方的に拗ねているわけでもない。
だから、朝からただ静かに流れていく時間を掬い上げるようにして、オレは寝転んでいる水美に声を掛けたんだ。


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