【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

罪深いひとたち


藍田 胡桃 SIDE*





パンもらっちゃったんだよ?
灰野くん……優しすぎ。


お礼に行ったら、すぐに廊下に出て行っちゃった。


もうちょっと喋りたいって思っているのはあたしだけで。


灰野くんはそうは思わない。


他の人とは楽しそうに話すのに、あたしにだけはこんなにそっけない。


基本的にあたしのことが嫌いなのはわかってるつもりだよ……。


だけど、なんでたまに優しくしてくれるんだろう。


あげて、落とされる。この感覚わかる?泣きたいよ。


手のひらに収まるクルミシュガーパンをじっと眺めてしまう。


ぐぅ……。とお腹も鳴くから食べよ。


「灰野くんがクルミシュガーパンを買っているところが可愛いよね?」


リホちゃんがふふっと口許に手を当てる。


「プ。それ言っちゃだめなやつ!」


彗が肩を震わせていて。


「何が?これって男子が買ったら可愛いの?」


甘いから?

でも甘いパン、ナギちゃんだっていつも食べてるけど。


「何でもないよクルミちゃんっ。さっさとお食べ」


満面の笑みでリホちゃんに肩をトントンと叩かれて、一口齧る。

やっぱこれ、おいし。



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