【完】俺がどんなにキミを好きか、まだキミは知らない。

ロケットダッシュ


灰野伊吹SIDE*



ナギのことは正直そんな好きじゃないし。


別にお見舞いに行くほどの関係じゃないし。


でもなんで、俺、来たんだろう。しかも一人で。


「熱とか出てて大変そうだった」

と昨日お見舞いに行ったらしい藍田さんが言っていた。


「じゃあ私たちも今日はお見舞い控えよっかなー」


そんな彗とリホの声も聞こえたし、俺も絶対その方がいいと思うんだけど。


空っぽのあいつの席見てると、そわそわするというか。


だいたいなんでLINE未読スルーするんだよ。気になるだろ、普通に。


大丈夫なのかな。


……あいつからサッカー取ったら、メンタルいけんの?


―――藤原凪砂。


その名前の書かれた病室の扉をノックしてからそっと開けた先で、ナギは寝ていた。


骨折ってこんななの?

めっちゃくちゃ大掛かりなことされてんじゃん……。


お見舞いに持ってきたものをベッドの机の上に置いた。



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