偽装ウエディング~離婚前夜ですが、抱いて下さい。身ごもりましたが、この子は一人で育てます。~
過ち
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全身がフワフワした浮遊感に包まれ、心地よかった。
「いつまで、寝てるんですか?杏花さん」
低く響く声に目が覚めた。
「んっ?」

白い柔らかなピローが瞳に飛び込んで来た。

私はムクリとカラダを起こし、辺りを見つめる。
呆れ声で仁王立ちしたバスローブ姿の玲人さんが立って居た。
「僕は最初に忠告しましたよね。
男性はいつ何時、オオカミに豹変するか分からない、危機感を持ちなさいと」

オオカミに豹変するとは訊いてないけど。
「それよりもここは何処ですか?」
ズキズキする額を指で押さえ、問いかけた。
「スイートルームです。下着姿ですが・・・脱いだのは貴方自身ですから・・・」
「えっ!?」
私は自分の格好を確かめて、慌てて全身を布団で隠し込んだ。

「友永先輩は?」
「酩酊状態だった貴方を店から連れ出そうとした彼ですか?」

「うん」

「僕が貴方を何処に連れて行くのかと問いただすと逃げましたよ」

「逃げた?」

「・・・僕が居なければ、多分貴方は彼と朝を迎えていたはずです。詳しい話は朝食を食べながら話します。まずはシャワーを浴びて目を覚まして下さい」


「はい」





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